日本政府の見解(2006年10月3日)

自民党本部(03-3581-6211)
(コール音12回くらい)
―共謀罪法案についてお伺いしたいのですが。
「こちらは事務局ですので、現場にお問い合わせください」
―現場とはどこですか?
「国会対策委員会の自民党です」
国会対策委員会:自民党(03-3581-5111)
「法案については党本部にお問い合わせください」
・・・先ほど党本部にお電話したところ、こちらの番号をいただいたのですが。
「それでは法務省にお問い合わせください」
法務省(03-3580-4111)
「法案に関しましては党本部にお問い合わせ願えますか?」
―私もそう思って党本部にお電話したのですが、党本部には国会対策委員会が担当だと言われ、国会対策委員会には法務省が担当だと言われてここまで来たのですが。
「少々お待ちください。担当におつなぎします。」

(担当交代)
―法務省はこれまで共謀罪法案の新設の根拠となる国連の犯罪防止条約について、条約5条を留保することは許されないと説明してきたわけですが、実際には条約を批准した国、たとえばアメリカなども5条を留保しているわけですよね。それについてはどうお考えでしょうか?
「しばらくお待ちください。別の担当に代わります」

(担当交代)
「条約を批准したのは外務省ですので、外務省にお問い合わせいただければよいかと思います」
―ですが、法務省としても今まで国民に対して説明を行ってきた以上、質問に答える義務はあると思うのですが。
「なるほど。しばらくお待ちください。別の者に代わります」

(担当交代)
「しばらくお待ちください」

(担当交代)
「法務省としましては、やはり責任を持ってご説明することができませんので、外務省にお尋ねいただけますか?」
―それは構わないのですが、責任を持って説明できないのであれば、最初から国民に対して説明してほしくなかったです。
「・・・はい」
―それだけですか?
「・・・はい、すみません」

(感想)すみませんで済めば共謀罪はいりません。いらないですけど。
外務省(03-3580-3311)
―共謀罪法案についてお伺いしたいのですが。
「しばらくお待ちください」

(1分経過)
「すみません。キョウ、キョウゴウホウについてでしたっけ?」
・・・キョウボウザイホウアンですが。キョウは「共同」のキョウ、ボウは「ゴンベンにナニガシ」のボウ、ザイは「罪悪」のザイです。あのー、大丈夫ですか?
「はい、しばらくお待ちください」

(1分経過)
「しばらくお待ちください」

(1分経過)
「ただいま担当部署をお調べしておりますので、そのままお待ちください」

(1分経過)
「お電話代わりました」
―共謀罪法案についてお伺いしたいのですが、よろしいですか?
「よろしくありません」
―!!??
「こちらは国内広報課ですので、担当ではありません」
・・・・・・それなら担当につないでほしいんですけど。
「少々お待ちください」

(1分経過)
「国際法課におつなぎいたします。しばらくお待ちください」

(1分経過)
「もう少々お待ちください」

(1分経過)
「もうしばらくお待ちください」

(1分経過。逆探知に必要な時間ってどれくらいでしたっけ?)

「お電話代わりました」
―共謀罪法案についてお伺いしてもよろしいですか?
「失礼ですが、ご所属はどちらでしょうか?」
―所属を申し上げないと答えていただけないのですか?
「いえ、ご参考までにということです」

―共謀罪に賛成する議員の落選運動をしている者です。外務省はこれまで共謀罪法案を新設する根拠として、国連犯罪防止条約の5条を留保することが許されないからだと説明してきたわけですが、実際にはアメリカを始め、条約の5条を留保している国はいくつもありますよね。外務省がこれまで行ってきた説明は事実と異なるわけですが、それについてどうお考えですか?
「外務省といたしましては、今までご説明してきた通りでございます」

―今までの説明が事実と異なることが明らかになったにもかかわらず、これまでの説明を続けるということですか?
「いずれにいたしましても、これまでご説明してきた通りでございます。日本国憲法98条に国連の条約を尊重する義務がありますので、そういうことでございます」
―憲法以前の問題として、外務省が行ってきた説明が事実と異なることについて伺っているのですが。
「いずれにいたしましても、これまでご説明してきた通りでございます」

・・・そうですか。では最後に純粋な興味として伺いたいのですが。共謀罪というのは、政治家の方にとっても非常に危険な法案ですよね。たとえば、公職選挙法違反の共謀罪といったものは、それこそいくらでも思いつくわけで。たとえば、議員のスタッフが対立候補のポスターをはがしてしまおうという冗談を言って、その場にいた人たちが笑ったとします。ところが、そのスタッフが実は対立候補のスパイで、その人の密告によって、議員を支えるスタッフ陣、場合によっては議員自身が逮捕されてしまう、ということもありえますよね。これはあくまで一例で、他にもいくらでもこういった例はあげられるわけですが、こうしたことについて危機感をお持ちではないのでしょうか?(←台詞が流暢なのは台本を読んでいるからです。)
「法案につきましては、法務省にお問い合わせください」

・・・お忙しいところ、長々とありがとうございました。

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